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相続税の総合ガイド

相続税の基礎知識と
申告ガイド

いくらからかかるのか、10か月の期限までに何をすべきか、不動産があると何が難しくなるのかを、申告判断から特例・必要書類まで一気通貫で整理しています。

最終更新: 2026年3月21日 参照: 国税庁の公開情報
基礎控除の計算式
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
相続人が1人3,600万円
相続人が2人4,200万円
相続人が3人4,800万円
相続人が4人5,400万円
この額を超える可能性があれば申告義務が発生します
10か月
申告・納付の期限
10〜55%
相続税の税率幅
8.7%
延滞税(最大・年率)
まず結論

相続税申告は誰に、いつ相談すべきですか?

遺産総額が基礎控除を超えそうな場合や、不動産・過去の贈与・複数相続人がある場合は、10か月の申告期限を待たずに税理士へ相談するのが安全です。

  • 基礎控除を超える可能性があるかを先に確認する
  • 不動産評価と特例の有無で税額差が出やすい
  • 申告期限は原則10か月で、未分割でも止まらない
相談先の選び方

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税理士

相続税申告、土地評価、特例判定、税務調査を見据えた整理

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司法書士

不動産の相続登記、名義変更、登記書類の確認

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弁護士

遺産分割でもめている、遺留分や使途不明金の争いがある

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相続税とは

相続税は、亡くなった人の財産を相続や遺贈で取得したときに生じる税金です。ただし相続が発生した全員に申告義務があるわけではなく、まずは遺産総額が基礎控除額を超えるかを確認します。

実務では、単に預貯金の金額を見るだけでは足りません。不動産、保険金、証券、名義預金、生前贈与の扱いまで含めて整理しないと、「対象外だと思っていたのに申告が必要だった」というミスが起こります。

相続税で難しいのは計算式よりも前段の整理です。誰が相続人か、どの財産が課税対象か、土地評価をどう置くか、特例が使えるかで最終税額が大きく変わります。

相続税申告が必要かの目安

基礎控除額
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

国税庁の申告要否判定でも、この計算式が基礎として示されています。法定相続人の数を確定させることが出発点です。

こんな場合は早めに税理士相談が必要です

土地や建物が多く、路線価評価や倍率評価の確認が必要
相続人が多く、分け方しだいで税額が変わりそう
10か月の期限まであまり余裕がない
過去の贈与、非上場株式、自社株が絡む
税務調査を見据えて根拠整理まで任せたい

課税対象になりやすい財産と控除できるもの

課税対象になりやすい財産

+現金・預貯金
+上場株式・投資信託・債券
+土地・建物・借地権
+生命保険金のうち非課税枠を超える部分
+死亡退職金のうち非課税枠を超える部分
+名義預金と判断される資産

税額計算で見るべき控除・減額

基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人数)
債務控除(借入金・未払金など)
葬式費用のうち相続税上認められるもの
生命保険金・死亡退職金の非課税枠(各人数×500万円)
配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分相当額まで)
小規模宅地等の特例(最大80%評価減)

相続税の税率と計算の考え方

相続税は課税価格の合計額から基礎控除を引き、その後、法定相続分に応じて各人ごとに税率を当てはめて計算します。単純に総額へ一律の税率を掛ける仕組みではありません。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%0円
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
3,000万円超〜5,000万円以下20%200万円
5,000万円超〜1億円以下30%700万円
1億円超〜2億円以下40%1,700万円
2億円超〜3億円以下45%2,700万円
3億円超〜6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円
土地評価や各種特例の判定が先にあります。税率表だけ見ても最終税額は決まらず、不動産や未分割の扱いで大きく変わることがあります。

見落としやすい特例・控除

最大1億6,000万円

配偶者の税額軽減

配偶者が取得した財産が1億6,000万円または法定相続分相当額のどちらか大きい額まで、相続税がかかりません。未分割のまま期限を迎えると適用手続きが別途必要になります。

最大80%評価減

小規模宅地等の特例

居住用宅地(330㎡まで)は最大80%、事業用宅地(400㎡まで)も最大80%、貸付事業用宅地(200㎡まで)は最大50%の評価減です。不動産がある相続で最も税額差が出る制度です。

人数×500万円

生命保険金の非課税枠

法定相続人の数×500万円が非課税です。相続人3人なら1,500万円まで非課税になります。保険金があると申告要否判定に影響するため、早めの確認が必要です。

10か月でやること

1

申告が必要かを確認する

基礎控除を超える可能性があるか、相続人の数と財産の全体像を先に整理します。不動産がある場合は早い段階で税理士に相談した方が安全です。

2

財産資料を集める

通帳、証券残高、固定資産税資料、登記事項証明書、借入金資料、保険金資料などを集めます。名義預金や生前贈与の有無も確認対象です。

3

評価と分割案を作る

土地評価、債務控除、特例の適用可否、二次相続まで見た分割案を整理します。ここでの設計で税額差が出やすくなります。

4

期限内に申告・納付する

相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に、申告書提出と納税を行います。未分割でも期限は延びません。

遺産分割が期限までに終わらなくても、相続税の申告期限は延びません。分割が長引きそうなら、税務と法務を分けてでも先に体制を組むのが現実的です。

相続税申告でよく集める必要書類

被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍
相続人全員の戸籍・住民票・印鑑証明書
固定資産税課税明細書、名寄帳、登記事項証明書
預貯金残高証明書、証券会社の残高報告書
生命保険金・死亡退職金の支払通知書
借入金、未払金、葬式費用が分かる資料
遺言書や遺産分割協議書

税理士に依頼した方がよいケース

預貯金中心で資料が揃っているケースなら自分で進める選択肢もあります。ただし不動産・複数相続人・過去の贈与・非上場株式・未分割のどれかがあるなら、税理士に任せた方が結果的に安全です。

比較で見るべきポイント

相続税案件の実績がどの程度あるか
土地評価や特例判定をどこまで見てくれるか
見積もりに何が含まれ、何が別料金か
期限が近い案件でも対応できる体制があるか

公的情報・参考リンク

Q&A

よくある質問

Q

相続税はいくらからかかりますか?

A

遺産総額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合に申告義務が発生します。相続人が1人なら3,600万円、3人なら4,800万円が目安です。

Q

相続税の申告期限はいつまでですか?

A

相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内が原則です。申告と納税の両方を期限内に進める必要があります。

Q

不動産があると相続税申告は難しくなりますか?

A

難しくなることが多いです。土地評価や小規模宅地等の特例の判定で税額差が出やすいため、不動産がある相続は税理士相談の優先度が上がります。

Q

遺産分割がまとまらなくても申告は必要ですか?

A

必要です。未分割でも期限は延びません。分割が終わっていなくても法定相続分で按分して申告し、後から更正の請求で調整する形が一般的です。

Q

配偶者の税額軽減はいくらまで適用できますか?

A

配偶者が取得した財産が1億6,000万円または法定相続分相当額のどちらか大きい額まで、相続税がかかりません。未分割のまま期限を迎えると適用には別途手続きが必要になります。

Q

小規模宅地等の特例で評価額はどのくらい減りますか?

A

居住用宅地(特定居居住用宅地等)は330㎡まで最大80%減、事業用宅地は400㎡まで最大80%減が原則です。貸付事業用は200㎡まで最大50%減と要件が異なります。

Q

相続税の延滞税率は何%ですか?

A

申告期限から2か月以内は年2.4%、2か月超は年8.7%(令和6年度)です。相続税500万円が1年遅れると約43万円の延滞税が加算される計算になります。

Q

相続税を申告しなかったらどうなりますか?

A

無申告加算税(原則15%、調査前自主申告なら5%)と延滞税が加算されます。悪質な隠蔽の場合は重加算税(40%)が適用されるケースもあります。

Q

名義預金は相続税の対象になりますか?

A

名称が家族名義でも、実質的に被相続人が管理・積み立てた預金は相続財産として課税対象になります。税務調査でも最もよく指摘される論点の一つです。

Q

生命保険金の非課税枠はいくらですか?

A

法定相続人の数×500万円が非課税枠です。相続人が3人なら1,500万円まで非課税になります。非課税枠を超える部分は課税対象として申告が必要です。

Q

相続税申告を税理士に頼むタイミングはいつが良いですか?

A

基礎控除を超える可能性が見えた時点で早めに相談するのが安全です。特に不動産、複数相続人、期限切迫のいずれかがあるなら前倒しが有利です。

Q

相続税申告を自分で進めることはできますか?

A

申告自体は可能ですが、不動産評価や特例判定があるケースでは難易度が上がります。迷う場合は初回相談だけでも税理士に確認した方が安全です。

「対象かどうか分からない段階」で動くのが安全です

期限が近づいてから整理を始めると、不動産評価・未分割対応・書類収集が一気に重なります。まずは税額の目安を確認し、必要なら相続税に強い税理士へ早めに相談してください。

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